「iPhone 衝撃のビジネスモデル」を読んだ
「アマゾンがつき、グーグルがこねた天下餅。座して喰らうはアップルか」
と挑発的なオビが印象的。
以下に要点まとめました。
Web2.0の抱える問題
この本では冒頭でWeb2.0の(というかWebサービスの)問題点について論じている。
問題点は3点に分けられる。
ビジネスとしてのWeb2.0
誰もがうすうす感じている事ではあるが、Web2.0的サービスや技術そのものが富を生んではいない。googleもamazonも Web2.0的なサービスを手段としては用いているが、収益モデルは古典的である。
ビジネス的にみれば、googleは広告事業者、amazonは通販事業者なのである。実際に金を稼いでいるのは、googleに広告を出しているリアルな企業なのである。
ちょっと乱暴なロジックだけど、CGM(SNSやブログ)が結局企業の宣伝コンテンツとして無償奉仕の提供になってしまっている(このへんかなり強引なロジックの気がしますが)。そもそも既存の権力構造を破壊しユーザー主体の世界を形成するというWeb2.0が、実は権力に利用されちゃっているという問題。大きなものにまかれちゃってるわけですね。
無料の文化
インターネットはもともとがタダの文化。すべての情報(コンテンツも含め)が無料化していくことにWeb2.0的な広がりがあるわけだが、結局はそれが足枷となっているのではないか?
デジタルデバイド
ユビキタス社会になればなるほど、様々なインターフェイスをもつ機器が氾濫し、便利になるどころか普通の人にとっては極めて煩わしい社会になっていく。操作するデバイスや方法がそれぞれ異なるためそれらを習得し、おまけにいくつものパスワードも記憶する必要がある。これはかなり窮屈な社会ではないのか?
携帯ビジネスの独自性
ではMobileではこれらの問題はどうなのだろう。
ビジネスモデルであり、インフラは少数の通信事業者が寡占している。だから,料金徴収制度が成り立ち、コンテンツに対して対価を払う土壌ができている。これで上記の2つの問題はクリア。しかしデジタルデバイドの問題はある。携帯の場合、テンキー入力という貧弱なインターフェイスが問題となる。
iPhoneの優位性
iPhoneならそれをすべて解決できる。
・インターフェイスの改善(マルチタッチ式の前面タッチパネルでアプリケーションごとにインターフェイスを柔軟に変える)
・だからこそ様々な機器間をiPhone1つで自由に操作できる。(iPhoneへの集約)
フェデレート端末(またはオーグメント)という説明がされているが、つまり優れたユーザーインターフェイスを持つiphoneはMobile2.0という土壌の恩恵を十分享受しつつ、コンテンツからお金を稼ぐビジネスモデルを生み出せるということだ。
読後の感想
…とまとめてしまえば特に目新しいことではない内容です。
しかし「ウェブ進化論」から1年経って、「Web2.0って結局は理想論だったんじゃないの?」と思いはじめている人も多いはず。この本の前に読んだ『フュ-チャリスト宣言』も「Web2.0はこれからがスゴイんだぜ」って内容だったんだけど、理論だけが先行して実態がついてこないと感じてる人も多いのではと思います。
この本ではもう一回Webのこれからの可能性をMobile2.0に登場したiphoneという具体的なデバイスを中心にした視点から分かりやすく解説しています。
僕もじつはMobile2.0ってのには疎かったのですが、その手始めにはよい本なのではないでしょうか。
結構強引なロジックもあるので他のWeb2.0関係の本もあわせて読んだほうがいいと思いました。
それにしても、
iphoneほしいなー。
posted with amazlet on 07.06.24
岡嶋 裕史
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